(1)
アゾールの郊外にある、黒くて暗くて深い森。
そこには、吸血鬼さえも近づかないほどの強い怨念を持った亡霊たちが巣くっている謎の幽霊屋敷があるという。迷い込んだ者がまれにたどり着く、この世とあの世の境界線。屋敷の中では、通常では考えられない奇妙な現象が四六時中起こっており、にぎやかさが絶えることはない。
(2)
月がぴかぴか 帰りみち
なにかがふわふわ 浮かんでる
ほら お空をみてごらん
きっと 彼らがのぞいてる
(3)
ふんわりおばけが あつまって
こわ~いおばけに なっちゃった
にげなきゃ にげなきゃ たたられる
朝日をあびたら きえてった
(4)
墓地に描かれた魔法陣。
その中心には輝く穴が開き、渦巻くように引きずり出されるは数多の亡霊たち。
それは、《亡霊の護法陣》。
亡霊を呼び戻す、呪われた儀式の一端である。
(5)
ある宮廷で開かれた、華やかなパーティー。
そこでは女の子たちに囲まれていた一人の男が、急に猛烈な頭痛に襲われていた。彼の頭は、暗黒色に輝く輪によって締め上げられている。
その呪いの名は《ファンタズム》。
彼らの背後から、女性の亡霊が嫉妬深い瞳で男を睨みつけていたことに、その場の誰もが気付くことはなかった。
(6)
《グルーミィ》は不幸な人生の果てに腐乱死体となった、陰鬱と落胆の亡霊。
彼女はダメ旦那の借金のカタに娼館に売られ、しかも逃げた旦那が見つからなかったので、見せしめとして生きたまま埋められてしまった。
生前はスレンダーな体型だったが、身体に腐乱ガスがたまってしまい、風船のようにぱんぱんになった身体のまま霊体として浮いている。
ダメ旦那にはもはや何の未練もないが、幼い子供たちのことだけが心残りとなってこの世をさまよっている。
(7)
お化けはいたずらが大好き。それは古今東西に共通した認識である。
道具を使おうとしたら、それをはたき落とす。
呪文を唱えようとしたら、そっと口を塞ぐ。
悪意はなく、無邪気なだけのお化けを呼び出す妨害の魔法、それが《ゴースト・マジック》だ。
(8)
その昔、とある高貴な家の令嬢が、貧乏な使用人と駆け落ちした。逃げ延びたアゾールの地でひっそりと隠れながら、幸せな生活を過ごすつもりであった。しかし現実は厳しく、借金を重ねて首が回らなくなる使用人。人買いに連れていかれそうになった彼女は深い森の中にある屋敷へと逃れるが、借金取りたちに囲まれてしまい、彼女は屋敷ごと燃やして生命を絶った。
その後、失意のうちに命を落とした彼女が無数の怨念を取り込んで幾星霜。亡霊の女王たる《ファントム・クィーン》と呼ばれる姿が、幽霊屋敷の主として、そこに在った。
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テーマ:バックボーンストーリー | 投稿日時:2014/10/09 22:13 | |
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