(1)
黙示録―それは終末の予言。
《黙示録の魔剣》は漆黒の刀身に紅蓮の刃が輝く巨大な魔剣。
魔剣姫と呼ばれる女性が扱っていたという剣。
それはいつから存在するのか。一説によれば、この剣を構成する素材はこの世界の金属ではないという。
(2)
『弐ノ封印解除』。
魔剣姫の命を賭した最終奥義が発動し、彼女の持つ魔剣は流線型のフォルムに変化した。
その美しき剣の銘は《星剣ハルシオン》。星が導きし希望の剣。
魔剣姫は、握った剣に願いを込める。
すべての存在が、笑って輝く日々を過ごせるように。
魔剣姫は、未来を想って剣を振るう。
あまねく存在に、等しく希望の日々が訪れるように。
世界の運命に選ばれるのは、安息か暴虐か。
―最後の戦いの火蓋が、今切って落とされた。
(3)
キミは信じるだろうか?
魔剣姫と呼ばれた無敵の存在がいたことを。
世界を恐怖に陥れた魔王にも恐れず、山をも揺るがす竜王にも負けない。
剣を振るうその姿は、まるで女神か鬼神か。
しかも彼女は、数千年の時を生きていたという。
キミは信じるだろうか?
現在の魔導では説明できない、しゃべる黄金熊のぬいぐるみがいたことを。
その綿の詰まった頭脳は万物のすべての理を知り、魔術のすべてに精通している。
彼は常に魔剣姫とともにあり。
なんと世界を滅びの運命から救うために奔走したのだという。
歴史の数ページに、彼女と彼らしき存在が度々記されている。
古くは魔法帝国時代。
魔王をすべて封印してまわった赤き天使。その一人が魔剣姫だという。
古くは暗黒時代。
時蛇の宿命に翻弄されたおとぎ話の聖女の側には、しゃべるぬいぐるみがいたという。
古くは六王国時代。
欲深き皇帝と対峙し、影の騎士団を率いた黒衣の女団長とその参謀が二人ではないかと。
ほかにも例を挙げればきりがない。
近年においては、復活した暴虐の皇帝を倒した者が魔剣姫であるいう噂までもがあるが……どれも確たる証拠はない。
ほとんどの歴史家は彼女と彼を否定する。
彼女らが登場する逸話は、どれも信じがたい伝説ばかりだから無理もない。
しかし、最近になって彼女たちの存在を裏付ける証拠が見つかった。
それは回想録。
黄金熊との出会いから戦争終結までを詳しく記した貴重な書。
書き記されている事変のほとんどが、ほかの書物の記録と一致していることから、信憑性は非常に高いと言われている。
なにより、名高い賢者が嘘を書くはずがない。
放浪の賢者と呼ばれた男にして、七英雄の一人。
ブリオッシュ・ランパートが記した「とある召喚術師の回想」である。
書の冒頭にはこう書かれていた。
我が師にして我が友、魔剣姫ドラジェと黄金熊のモンブランに捧ぐ――と。
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テーマ:バックボーンストーリー | 投稿日時:2014/10/09 19:58 | |
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