(1)
『世界蛇』。
それは六門世界を取り巻くほどの大きさがあると言われている、途方もなく巨大な蛇の俗称である。
『ヨルムンガルド』と呼ばれるその生物は頭部に八つの目を持ち、『終末』の異名で呼ばれることもある。あまりにも大き過ぎる存在であるがため、通常の人間が召喚術によって使役することは到底不可能。ヨルムンガルドを召喚する術者は、人間の限界を超えた性能であることが要求される。
どの時代でも語られる逸話がある。
曰く、幼い少女がヨルムンガルドの背に乗っている―年端もいかない少女が伝説級の召喚術師でも扱えないヨルムンガルドを使役しているなどまったく真実味のない話であるが、この逸話がそれぞれ離れた時代の目撃証言から成り立ったものであることは、興味深い事実である。
(2)
伝説の御伽話『ホーリィの手記』にもその名が散見される、紅い外套の可愛らしい召喚術師。彼女の名はリーフ―迷宮都市の守護者にして赤き四天使の一人、かつては『スカーレット・ランサー』の一員でもあった、《六鍵の守護者リーフ》である。
幼い少女の外見をしているが、彼女は人間ではない。太古の昔、魔法帝国期に造られた初期型ホムンクルスの成功個体であり、その身に内包した魔力は一般の召喚術師をはるかに凌駕する。常軌を逸した巨体を持つヨルムンガルドを軽々と使役し、その背に乗るのが彼女のお気に入りである。
いつの時代も、俗世に深く関わることのないリーフ。
そんな彼女とブリオが知り合ったこともまた、運命の訪れだったのかもしれない。
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テーマ:バックボーンストーリー | 投稿日時:2014/10/08 18:08 | |
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