(1)
六門世界の東部は『風』のエレメントの影響を色濃く受けており、最果てではあらゆる物が空に向かって浮かびあがってしまう。人の住む街としては空に浮かぶ遺跡都市『空中都市タージケント』が有名だが、それ以外にも数多の浮島が存在している。
『空中庭園エリュシオン』はタージケントに伝わる空中庭園伝承のひとつ。『二百数十年の周期で空中庭園が降臨する』『エリュシオンには【剣の魔王】なる悪魔が封じられている』などの説があるが、真偽を判断するには根拠となる資料が著しく少ない。
なぜなら、エリュシオンはハーピィたちの手によって、何者も近づけないよう守られているからである。
(2)
ハーピィたちは崇める精霊によって部族が分かれている。《雷鳴の舞姫ライカ》の一族は、雷の精霊を信仰するハーピィ。他にも、風の精霊や氷の精霊を信仰する部族が存在してい る。
エレメンタル・ストームの影響からか、数々の異常事態が東の空でも発生している。『空中庭園エリュシオン』の早すぎる降臨。ハーピィたちの住まう『鳥の楽園』の不自然な移動。万が一に備え、ライカの一族を含め4つの部族のハーピィたちが、四方から『空中庭園エリュシオン』を守護することとなった。
(3)
『鳥の楽園』を支配するハーピィの女王は、代々『ツクヨミ』の名を継承している。ツクヨミの一族は古代王家の血を引いている、もっとも尊いハーピィ。ハーピィの中でも上位種に当たり、独自の呪文魔法などの知識と、独自の哲学・伝承などを継承し続けている。 当代《月光の舞姫ツクヨミ》の神髄は争いに非ず。高潔なる気品と典雅な振る舞いを以って、守護すべき空中庭園への侵入者の非道を正すのである。
(4)
《疾風の舞姫フウカ》は風の精霊を信仰するハーピィの長。口数は少なく、真面目でクールで無表情。しかし彼女は、光り物が好きなハーピィの中でも、とりわけアクセサリーの類いを好み、常にその身を着飾っている。 フウカが疾風の舞を踊る時、それはあたかも輝きの奔流の如く敵に襲い掛かる。陽光に反射したアクセサリーが、煌めきの風となって美しき牙を剥くのである。
(5)
《フロスト・スライサー》は凍てつく氷の刃で敵を切り刻む呪文。放たれる氷は極めて薄く、視認することは難しい。しかしその一方で切れ味は非常に鋭いため、カマイタチさながら痛みを受けてから傷に気付くことになる。氷雪の加護を受けた者が使えば、さらに威力が増すであろう。
(6)
《ムーンライト・ゲイル》の詠唱には鳥人特有の金切り声に近い鳴き声が用いられており、一般的な呪文体系とは一線を画す。
基本的に、呪文はそのソースとなった属性の力に類する効果を発揮するのが普通である。また、熟練の者であれば異なったソースから別の属性の力を発揮することもできる。それが「万能」の力を持つソースであり、いかに熟練者といえどもその魔力をたくさんは持たない。
ハーピィたちは、万能の力に恵まれる者は少ない。それを克服するかのように、彼女たちは万能の力を逆に再現する呪文を編み出した。
いずれのソースからも様々な力を発現させる。それがこの月光風――《ムーンライト・ゲイル》。
ハーピィたちは、サザンのアカデミアでも非常に難解だった技術を本能で可能にしたのである。
(7)
《烈風王レスカーヌ》は、ハーピィたちに守り神と崇められる巨鳥。漆黒の翼を持ち、金属の刃のような鋭利で硬い羽毛に全身を包まれている。その羽毛は「毛」というより「鉄板」のように見え、黒く塗った金属甲冑のごとく、鈍く光を反射している。
一説によると、レスカーヌはハーピィに生贄を強要し、差し出された娘を食らったと言われているが、今も昔もハーピィたちには生贄を捧げるという文化が確認されておらず、真偽の程は定かではない。
(8)
《フリーズ・フラッシュ》は微細な氷の礫を巻き起こし、閃光のごとく相手を包み込む呪文。大気中にちりばめられた冷気の結晶は触れた物の熱を奪い、果ては放たれた魔力すらも凍結させる。
(9)
《氷結の舞姫レイカ》は氷の精霊を信仰するハーピィ。アイスブルーの髪と瞳、そして桃色の翼を持つ神秘的な麗姿をしている。人一倍責任感の強いレイカは伝統と伝承を重んじる一方、マジメで融通がきかない石頭な一面もある。
ライカ、フウカ、そしてレイカ。三者三様のハーピィたちが集まる時、空中庭園に眠る魔王が蘇るという。
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テーマ:バックボーンストーリー | 投稿日時:2014/04/18 10:36 | |
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