(1)
《獅子姫リオネット》は『黄金の獅子宮』の姫君にして《獅子姫レオーネ》の妹。リオネットはバステト族が秘めている『獅子の力』が比較的薄く、バステトの中では華奢な方に分類される。
彼女がその身に宿すのは、獅子の強靭な力ではなく、大いなる魔導の力。獅子神の祝福を受けたリオネットは神の炎と聖なる光を自在に操ることができる。
リオネットが織り成す、紅玉と黄金のハーモニー。煌めく炎光と純白の法衣を身に纏い、彼女は文字通り輝く笑顔を振りまいている。
(2)
古代帝国期。滅びを目の当たりにしたバステト族の一部は、とある者の導きによって『次元の狭間』に逃げ込んだ。そしてそこで、蜃気楼の王国『黄金の獅子宮』を築きあげる。部族を存続させるため、そして秘宝『秋の錫杖』を守るために――
本来なら数百年に数日しか現世に現れることのない『黄金の獅子宮』であったが、世界の精霊力が失われていったことで狭間のバランスも崩れ、南の砂漠にその姿を表すとなった。そこで明らかになった驚愕の真実――狭間での時の流れは非常に遅く、外の世界では数千年が経過していたのだ。
時の経過にバステト族は戸惑い、そして混乱に巻き込まれてゆく。
(3)
踊りによって黄金の加護を与えることのできる魔導師は『光導師』と呼ばれる。踊ることで光の粒子を集めて、対象に光の衣の祝福を与える能力を持っているのだ。祝福の内容は踊り手によって異なり、肉体を強化したり傷を癒したりと様々である。《リオネットの光導師》に祝福されし者は、どんな災いもその身に届くあたわざる、と言われている。
(4)
《ヒートストローク》は陽炎が立ち込めるほどの魔法の熱を生み出すことで、放たれた魔力を消失させるとともに術者にもダメージを与える呪文。直接的な炎による攻撃ではなく、炎熱で対象を包み込んで煮え滾らせる。常に灼熱の世界に住まう、砂漠の民が編み出した魔法である。
(5)
《レオーネの獅子戦車》は4頭もの白獅子に引かれた巨大戦車。戦車の上には御者として、白銀の鎧と赤い外套を纏ったバステトが騎乗している。獅子たちのによる突進・戦車の超重量・車輪の外側に付けられた刃と、獅子戦車は凶器の塊。相対した敵は、食い千切られ、押し潰され、そして切り刻まれる。
(6)
《リオネットの焔戦士》はリオネット旗下の部隊の中でも、『火』の扱いに長けた集団。焔戦士に叙された者は、リオネットより先端に火の鳥とアンクの装飾をあしらった錫杖を下賜される。レオーネの率いる部隊が騎士然とした武装をしている一方、リオネットの率いる部隊は魔術師然としているため、後者の方が柔和な印象を与えるだろう。
(7)
《ゴールデン・クローク》は黄金色に輝く粒子によって防護の結界を作り出す魔法。迫り来る障害に対して、術者を中心に半円の黄金フィールドで包み込む。 その範囲は味方全体に及んで力を与えるため、守りのみならず攻めにも使える、バステトの秘伝魔法である。
(8)
《リオネットの聖戦士》はリオネット旗下の部隊の中で、『聖』を司る集団。聖戦士に叙された者は、リオネットより先端にフクロウとアンクの装飾をあしらった錫杖を下賜される。レオーネの部隊とリオネットの部隊はそれぞれ分かれているが、行動を同じくすることもある。特にレオーネはリオネットのことを気にかけているため、配下の兵をリオネットに同行させることが多々あるという。
(9)
《ジャイアント・アルマジロ》は黄金の獅子宮付近の砂漠に生息する、黄金色の甲殻を持つアルマジロ。生まれた瞬間は甲殻が煌めく黄金であるが、年を追うにつれてその輝きはくすみ、黒くなってゆく。そのため、幼体は特に《ゴールデン・アルマジロ》と呼ばれ ることがある。その美しさから愛玩用として高い人気があったため、かつて魔法帝国時代には乱獲され、絶滅の危機に瀕するという事件があった。
(10)
灼熱の砂漠の中央で、6人のバステトの魔法使いが円を描くように立ち、詠唱を行っていた。術者の向かう円の中心には、蜃気楼よりもはっきりと「獅子」の影が映り込む。
術式の名は《獅子の魔導円》。その円陣はバステトの内に眠る獅子の力を喚起し、あまねく味方の力を増幅させる作用を持つ。
(11)
《リオネットの盾髪騎士》は大きな白獅子にまたがった、エヴァ直属の部隊。獅子の紋様が描かれた巨大な盾を掲げ、隙のない隊列を組んで進軍・戦闘を行う。 その名称と外観から守備専門の部隊であるかのような印象を受けるが、実は攻守両面をそつなくこなす万能な部隊である。
(12)
《ゴールデン・ウォール》は黄金に輝く粒子によって、魔法の激流を作り出す魔法。迫り来る敵に対して、地面から黄金の飛沫が襲いかかる。それはさながら、砂漠の流砂のごとく。噴出する壁が現れたかのように、進撃してくる相手を打ち砕くであろう。
(13)
《リオネットの炎魂使》は炎を操るバステト族の戦士見習い。入隊時に魔力の適正が「火」に寄っているか「聖」に寄っているかが判定され、「火」の適正を持つ者がこちらに入隊する。初歩の火属性魔法なら習得しているが、基本的には見習いということで後方支援が役目。炎魂使が力量を磨いてリオネットに認められると、焔戦士に任命され、リオネットに付き従って前線へと赴くようになる。
(14)
《フレンジィ・アンク》は黄金の輝く粒子によって、アンク型の黄金焔を作り出す魔法。術者の周囲に配置された聖なる力を持つ十字円は、十分な力の増幅が完了したとき、一斉に敵に向かって放たれる。黄金色の閃きに包まれた相手は、アンクにその身を囚われ、切り刻まれるかのようにその身を灼かれることとなる。
(15)
《獅子心騎士エヴァ》は《獅子姫レオーネ》に忠誠を誓ったバステトの騎士。義に厚い武人然とした性格であり、『黄金の獅子宮』で1,2 を争う実力を持つ。彼女に関する逸話は枚挙に暇がなく、幾百の敵が守る城を単騎で陥落させたとも言われている。
現在はレオーネの命により、リオネットに同行。彼女の旅路を護衛する隊長として兵をまとめている
(16)
類い希なる王気を身につけて生まれた《獅子姫レオーネ》 は、バステト族の姫君にして、尊大な態度の小さな暴君。とはいえ理不尽に部下を虐げる類ではなく、どちらかと言うと子供の癇癪に近いものがあるため、温かい態度で彼女を慕う者は多い。
黄金の獅子宮の第一人者の一人であるが、外部と時の流れが異なることに不満を覚えており、この事態に誘導したモンブランを逆恨みしていた。しかし、愛妹リオネットがモンブランたちと友好的にあるため、胸中は複雑である。
(17)
《リオネットの魔法教官》は黄金の獅子宮・魔法学校の先生。バステトにビーストに、魔法と躾と様々なことを教えている。常に穏やかな笑みを浮かべている柔和な彼女だが、怒らせると獅子宮の誰よりも怖く、伝説のドラゴンですら彼女の前にひれ伏すという。
(18)
《星魔導師アルギエバ》は守護魔法のエキスパートであり、詠唱なしで魔法を使用することができる希代の天才魔導師。光導師や聖戦士を束ねており、部隊長的な立ち位置にいるが、本人は戦場に立つよりもただ魔法の研究をしていたいと思っている。《獅子姫リオネット》の内に眠る魔法の才を誰よりも早く見抜き、以後リオネットの教師として数々の魔法を教えている。
(19)
《リオネットの聖霊甲冑兵》は全身を重甲冑に包んだ守備専門の部隊。その甲冑は聖なる祝福を受けており、魔力を流すことで機動力を犠牲に硬度を増すことができる。基本的にはリオネットの直近に控え、文字通りそ の身を盾にして主を守り抜く事が使命。甲冑兵同士で背を合わせ、隙を作らぬ布陣を見せるこの部隊を突破することは非常に困難である。
(20)
《神猫妃ラーラ》は、《獅子姫レオーネ》と《獅子姫リオネット》の母。魔法に長けたバステト族の中でも、極めて特異な「転移」の魔法を得意とする。その対象は自身のみならず、他者を包み込んで転送させたりもできるという。
豊満な体付きに、溢れる母性。母の助けを必要としないほどにたくましく育った我が子たちの旅立ちを、嬉しくもあり少しだけ寂しくもある、複雑な心境で見守っている。
(21)
《占星術師デネボラ》はリオネット直下の参謀で、リオネットに対して絶対的な忠誠を誓っている軍師。炎の魔法のエキスパートであり、炎魂使や焔戦士を束ねている。扱う呪文の精度や練度はリオネットやアルギエバ に一歩を譲るが、こと炎魔法の出力と破壊力においては彼女に比肩する者はいない。同じく『星』の名を冠するアルギエバとは正反対の性格と性質ながら、意外に仲良くやっているようである。
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テーマ:バックボーンストーリー | 投稿日時:2014/04/16 15:38 | |
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