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[2013/09/06 08:00] |
マジック:ザ・ギャザリング『デュエルデッキ 英雄 vs. 怪物』発売!!
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デュエルデッキ 英雄 vs. 怪物
デュエルデッキは新しいセットへの導入として、新カードの先行収録などもあり話題となっています。今回のデュエルデッキは『テーロス』の先行収録があります。
タイトルは「英雄 vs. 怪物」。英雄はまだ記憶に新しい〈太陽のタイタン〉。怪物は〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉がイメージとなっており、共に新規イラストになります。
※以下公式サイト[読み物]英雄 vs. 怪物より引用
毎年2つめのデュエルデッキには新しいセットのワクワクする入り口となってもらっている。今年は『テーロス』への入り口だ。ぱっと見は、ギリシャ神話の暗喩や概念を彷彿とさせてくれる。だからこそ、英雄が怪物と相対する、というデュエルデッキのアイデアは完璧な意味を成している。神話レアの恐ろしきハイドラ、〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉のような怪物は対戦相手になんらかの対策を強制させる存在だ。
「怪物」デッキを私が使ったゲームでは、ゲームを支配しようと争い、ケリーと私は互いに全力で殴り合った。たとえば、〈アナックスとサイミーディ〉を戦場に出して優勢を得たケリーに対し、私は対抗策として《火口の乱暴者》を唱えて盤面をきれいにした。するとケリーは自分のターンに《太陽のタイタン》を唱え、その能力で〈アナックスとサイミーディ〉を戦場に戻す。私のターン、手札に〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉、戦場に8マナがあったので、私は動き始めた。ケリーの手札は無く、ライブラリーの一番上のカードをそのままプレイする状況。対する私の手札には〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉と《内にいる獣》。つまり〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉を唱えられればこのゲームはイタダキだ。果たして、私たちは駆け引きをし、私は〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉を唱えた。だが幸運なことにケリーは数少ない最適な(そしてふさわしい名前の)除去カードをトップデッキしてきた。《大物潰し》だ。
こうした相互作用は、こういった形でこれらのデッキがお互いに対して行う最も抒情詩的なアイデアと、最も重要なアイデアの間にある。この種の対戦はアグロ対コントロールというより、戦場の支配権を賭けた、しばしば神話的戦闘で見られるがっぷり四つの真っ向勝負が起きる。
私たちが手にするこれらのカードで、『テーロス』に入っている新しいメカニズムを初めて目にすることになる。ではそれぞれのカードをじっくりと見て行くことにしようか。まず最初、「英雄的」。
英雄的は、英雄的クリーチャーが呪文の対象になったときに起こる、大体似かよった一連の能力が書かれている。〈アナックスとサイミーディ〉にオーラをつけるとき、英雄的の能力が誘発する。もしくは、コンバット・トリックで対象にとることによって、〈アナックスとサイミーディ〉を守れる可能性があるだけでなく、自分の他のクリーチャーを強化して戦闘全体を思い通りにひっくり返すことまでできるんだ。英雄的が特に強力な点は、たとえ呪文に対応されて英雄的クリーチャーが除去されたり、英雄的クリーチャーを対象にとった呪文が打ち消されたりしても、効果は解決されるというところなんだ!
〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉には、怪物化という能力がある。怪物化は『テーロス』の怪物たちが持っている新しいキーワード行動で、ゲームにつき一回だけ、怪物的になる能力をクリーチャーに持たせることで表現している(なんらかの方法で戦場を離れれば話は別だが、この二つのデッキではそんなことは起こらない)。適切なタイミングでそれを行ったなら、〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉は英雄たちが挑み、そして倒れる恐るべきクリーチャーになる。
『テーロス』で登場するこの二つのキーワード能力からデッキが命名されていることは明らかだ。これらの新しい能力が持つトリックのすべてを理解したと思ってはいけない。依然として『テーロス』の神話の世界が驚きに満ちていることに変わりは無いのだから。
ケリーは本当に凄い。たくさん彼と話すことができ、彼の真向かいに座ってマジックができたことは得難い喜びだった。彼はとてもよく考えているプレイヤーで(つまりプレイが遅い)、私が毎ターン戦闘でぐっちゃぐちゃにしたいと思っていても、彼のプレイングはそれ以上に組織的なんだ。有難いことにこのゲームを組織的にプレイすることで、私は二つのデッキについて彼に疑問をぶつけることができた。まずは「英雄」デッキについて。
※編訳注:《紅蓮操作》は「Alliances」初出のカード《Pyrokinesis》に新たに与えられた日本語名です。
それぞれのデッキには『テーロス』からの新カードが3枚入っているだけでなく、「英雄」デッキで《太陽のタイタン》が新しいイラストになったように、一部のカードは『テーロス』において新しいイラストになる。白と赤は普通だとカードアドバンテージを生み出さないけれども、私は、「英雄」デッキにおける占術は、未来のドローを覗き見して、余分な土地や唱えることができない呪文をライブラリーの下に送ることによって、長い目で見ればデッキが機能するのを補助しているのだと気がついた。1ターン目に《新ベナリア》を置くことで、私はそのゲームの最初のドローをチェックすることができる。《マグマの噴流》を唱えて序盤に出てくるクリーチャーを除去し、さらに占術2を行うことは常に有益に思えた。
「怪物」デッキには、占術のかわりにサイクリングが入っている。二つのデッキはどちらも赤を使っているけれども、《山》以外のカードでかぶっているものがない。サイクリングと同様に土地サイクリングも、巨大な怪物を出すために必要なマナの種類と量を手に入れる役に立っている。
※編訳注:《新たな芽吹き》は「リバイズド」収録のカード《Regrowth》に新たに与えられた日本語名です。
それぞれのデッキには『テーロス』から3枚のカードが入っているけれど、それだけではなく、ケリーは『テーロス』以外のカードで各デッキのテーマを構築するという制限の中で仕事をしなければならなかった。そして、彼はその際に以前のデュエルデッキの内容に近くなってしまうことを注意深く回避しなければならなかった。たとえば、『英雄 vs. 怪物』は以前発売された『Knights vs. Dragons』とよく似た位置づけである。だから「怪物」デッキにドラゴンが入っていないのだとわかるだろう。その代わりに〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉みたいなカードに頼って怪物らしさを出している。
〈世界を喰らう者、ポルクラノス〉は+1/+1カウンターを使うため、ケリーは「怪物」デッキには昔のグルールの能力である狂喜が役に立つと判断した。狂喜にはこう書かれている。「このターン、対戦相手1人にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターがn個置かれた状態で戦場に出る。」 厄介な《Orcish Lumberjack》が出世するのを見れば、「英雄」デッキは嫌な顔をすることだろう。
それぞれのデッキには面白いカードがたくさん入っている。ケリーは私に、「英雄」デッキでカードが働くかどうかの彼なりの判定基準を話してくれた。それは穴埋めゲームで当てはまるカードであることである。そのお題とは、「___は英雄的に___」だと。
例を挙げると、「《武器庫の護衛》は英雄的にその場を守っている」、うん、そんな感じがする。いっぽう「《おとりの達人》は英雄的に敵をひきつけている」......たしかにそうだがちょっと英雄とはほど遠い。ついでながら、《武器庫の護衛》はこのデッキにおいてきつい仕事をしている。タフネス5というのは、対戦相手が狂喜クリーチャーを持っていないかぎりは、ミノタウルス以外のあらゆるクリーチャーよりも高い数値なんだ。
両方のデッキに何枚か入っている面白いカードは本当に面白い勝負をもたらしてくれる。「怪物」デッキには《ヤヴィマヤの火》が入っている。最近はじめたプレイヤーは馴染みの薄いカードかもしれないが、過小評価してはならないカードだ。ケリーとの対戦で、彼は《ヤヴィマヤの火》を使ってブロッカーを強化し、私の《武器庫の護衛》を殺そうとしていた。しかし私にはそれへの解答として《勇壮の時》を使い、それを守ったうえにライフまで増やそうとした。たとえそれが死んだとしても、よく忘れがちな《奇跡の復活》で墓地から戻すこともできたんだけど。
時代の違いを強調もさせている「英雄」デッキには面白い点がある。ケリーは私に、ギリシャの英雄の考えかたが現代の英雄観より......ちょっとだけ容赦がないということを語ってくれた。私は《死せざる怒り》や《ピット・ファイター、カマール》のようなカードはふさわしくないんじゃないかと最初のうちは思っていたが、その説明を聞いた後だとそれらのカードも第一印象よりテーマに沿っていると感じられる。
これらのデッキで遊ぶのは本当に楽しかった。どちらも攻撃的なデッキで、彼らが織り成す戦闘シーンはハリウッド映画でもよく見られるような、戦闘やシーソーゲームが起こるんだ。君たちは新しいデッキも、新しいカードイラストを見ることも大好きになるだろう!
私たちは今秋のセット、『テーロス』についてどんどん公開していくから、来たる数日、数週間は欠かさず見に来てくれ!
Trick Jarrett / Tr. Yohei Mori
2013年8月19日
デュエルデッキ 英雄 vs. 怪物の収録カードは公式サイトで公開されています。
⇒[読み物]英雄 vs. 怪物
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