六門世界の歴史は、記録に残るだけで2000年以上におよぶ。
一般に年号は、「中興の時代」に活躍した伝説の人物である聖リコルを称え、
BR(=Beforeリコル)とAR(=Afterリコル)で表記されることが多い。
■■年表■■
BR2000頃 古代帝国期
BR1000頃 暗黒時代
BR600頃 六王国時代
AR 50頃 中興の時代
AR200頃 百年戦争期
AR350頃 新聖紀
■■古代帝国期■■
後に「古代帝国」と称される、魔法帝国オーリリアが繁栄した時代。
「アルカディア」と呼ばれる組織によって、召喚術をはじめとする魔法技術が大きく発展した。
魔法帝国は自らの力をゆるぎないものとするため、「聖魔判定」を実行。
これは「聖」信仰による民衆に対する人心掌握と、対極にある「魔」を悪として排斥することによる、ある種の選民思考を植え付けるものであった。
「聖魔判定」は以後の六門世界に多大な影響を及ぼし、「聖は善、魔は悪」という思想や宗教が数多く定着することで、「常識」と呼べるまでの聖と魔に対する固定観念を築き上げた。
本質的には「聖が善とは限らず、魔が悪とは限らない」のだが、人間の間で行われてきた永年の歪んだ教育と差別的な風習により、たいていの異種族にもそうした「常識」がいきわたってしまっている。
崩壊の原因は様々だが――人の力が作り出した人造神「裁く者」によって滅ぼされたというのが通説になっている。
【裁く者――ジャッジメント】
魔法帝国時代に終焉をもたらした原因の一つである人造神。裁きの光と呼ばれる殲滅の一撃は、目に見えるものすべてを焼き払った。
■■暗黒時代■■
魔法帝国が崩壊し、その影響は全世界を混乱の渦におとしいれ、群雄割拠の騒乱の時代となる。
この時代には、大多数の知的種族が魔法帝国の影響からの脱却を謳ったこともあり、召喚術をはじめ魔法技術の全般が忌み嫌われた。
そのため、この時代でほとんどの魔法的な知識は失われてしまっており、以降はどれだけ時代が進んでも、魔法帝国期ほどの高度で洗練された魔法技術は取り戻されていないと考えられる。
この時代には国家の興亡が激しく、信憑性の高い歴史や伝承はほとんど残っていない。
しかし一部の物語は今なお口伝によって伝わっており、中でも冥界の六皇子なども登場する著名なおとぎ話「ホーリィの手記」は、この時代に創られたものだといわれている。
【冥界の六皇子】
その昔は地方であがめられる力の強い精霊の一種であったが、魔法帝国時代の「聖魔判定」の影響によって、魔王と呼ばれる存在になったとも言われている。
■■六王国時代■■
世界情勢が安定し始めた頃、人間を中心とした知的種族たちは、かつての古代帝国を目指して魔法を復権させ始めた。
特に召喚術の研究が進み、人間が再び世界の覇権を握ろうとしはじめる。
しかし、オークの皇帝オルクスⅠ世が召喚術への対抗法を見出すことで、世界のバランスが変化する。
やがて対召喚術はエルフ、ドワーフ、リザードマン、ケンタウロスにも広がり、各種族は人間の支配を逃れてそれぞれの版図を広げた。
こうして人間、オーク、エルフ、ドワーフ、リザードマン、ケンタウロスという6種族の大国が成立する。
やがて六王国は2つの勢力に分かれて対立し、互いに疲弊して衰退していく。
この六王国時代の人間の英雄として知られるのが、「アーヴィン英雄伝」の叙事詩で知られるアーヴィンである。
こうした争いの終期、中原にひとりの聖者が現れ、人々の心身を癒していく。
この人物が後に聖エルドと呼ばれる若者で、彼はサザンを中心に「癒しの国」を築き、聖エルド教が成立していく。
【欲深き皇帝】
大きく六つの種族が争った戦乱の時代において、もっとも力が強く、もっとも人間と対峙したオーク族の英雄。彼が生み出した対召喚術の秘法は、世界のバランスを崩した。
■■中興の時代■■
聖エルドを慕って集まった人々により、中原に人間を中心とした一大国家であるサザン帝国が誕生する。
サザン帝国は版図を広げ、その影響下から明白に逃れられた六王国の勢力は、オークの皇帝が率いていたソラステル帝国だけであった。
サザンの隆盛に伴い魔法技術の復興も進み、古代帝国期のアルカディアを目指した学術組織「大学院(アカデミア)」が設立されると、さらにその動きは加速する。
代わりに強大な召喚術を操る召喚術師が現れ始め、特に世界各地の辺境において、世界を揺るがすほどの大事件が多発することとなる。
そうした多くの事件に関わり、人々を救ったといわれるのが、黒い翼の天使を伴ったイエル・チェトケルとその縁者で、彼の活躍は伝説として人々に語り継がれている。
聖エルド教によって長期にわたって世界の秩序が保たれる中、聖都サザンでは静かに、しかし確実に堕落が進行していく。
そして「教皇庁」、「大学院」、「貴族勢力」があい乱れての陰謀劇を繰り広げ、やがて大騒乱に発展しそうになったものの、後に「中興の祖」と呼ばれる聖リコルによって、サザンはなんとか平穏を保つことができた。
以降も聖リコルの活躍により、サザン帝国による各地や異種族への圧政はなくなっていく。
【黒い翼の天使】
イエル・チェトケルの一族が伴ったといわれる堕天使。謎に包まれた存在であるが、聖なる属性の天使が堕ちることによって黒い翼を授かるという説もある。
■■百年戦争期■■
六王国時代に端を発するソラステル帝国が、再び世界の覇権を狙って、六門世界全土を巻き込む騒乱を引き起こす。
様々な魔法技術が戦争に用いられ、一部からは「魔法帝国時代以降、もっとも魔法が酷使された時代」とも言われており、数々の新技術が後世に影響を与えている。
もっとも有名なものが「転送魔法陣」の開発だろう。時間と場所の意味を失わせたこの技術の開発によって、戦争は急速に収束していく。
戦争の対立の中心となっていたソラステル帝国とサザン帝国の間で停戦協定が結ばれ、100年近くに渡る戦争の時代は幕を下ろした。
また、戦犯としてオークの一族がつるし上げにされ、召喚奴隷という身分に落とされたのも記憶に新しい。
【鉄巨兵】
百年戦争には登場していないことになっている人型決戦兵器。しかし、百年戦争終盤、それらしい姿を目撃したという証言もある。真実は定かではないが、実験的に用いられたのではないかと言われている。
■■新聖紀■■
サザンとソラステルという二大帝国による静かな対立という構図は崩れていないものの、百年戦争からの復興以降から今日に至るまで、一見すると平穏な時代が続いている。
そんな中、各地で異変を伝える噂や予言が広がりつつある。
それは六人の魔王が復活して世界を闇で覆い尽くすといったものから、人知の及ばない大精霊たちが暴れまわるといったものまであり、いずれも何の根拠もないような荒唐無稽な話ばかりだ。
しかしこうした眉つばものの話には、なぜか必ず共通点があった――それは「世界の終焉を意味している」という部分である。
こうした滅びの噂や予言がどこから出てきたものなのか、誰にもわからない。
それが真実であるのかどうかを知る者も、おそらくは存在しないだろう。
【精霊たちの狂宴――エレメンタル・ストーム】
世界に吹き荒れている「属性」の力に関係する現象。といってもそれを目撃したものはいない。なぜならば、この現象が発生するということはすなわち、世界が滅亡してしまうからだ。しかしなぜか、魔法帝国時代の書物にそれらしい現象について記されている。
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テーマ:バックボーンストーリー | 投稿日時:2014/10/16 21:10 | |
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