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精霊たちの狂宴

(1)
エレメンタル・ストームに誘われ、精霊王が現界する。
眷属たるスレイブを引き連れ、東の空より現れたるはクィーン。雷雲の毛皮を身に纏い、手にした鞭で嵐を巻き起こす様はまさに荒天の女王。
彼女は空中庭園の彼方から、嵐とともに人の世を見下ろしている。この世のすべてを吹き飛ばす、その日まで。
(2)
《ジャングル・サーペント》は密林に住む、翼のないドラゴン。密林の大河に住んでいるので、水棲生物のような生活を送っている。非常に攻撃的でありながら縄張り意識が強く、自分の領土に他者が侵入してくることを極端に嫌う習性を持つ。
《エレメンタル・ブラスト》はエレメンタル・ストームによる元素崩壊で発生した魔法……というより、現象に近い。精霊の力に深く関与したモンスターにのみその現象を具現化させることができるらしく、誰にでも使えるものではない。まわりのすべて吹き飛ばす輝きは、巻き込まれたあらゆる生物を行動不能に陥らせる。
(3)
守護者たるナイトを伴い、西の海より現れたるはロード。静謐にして荘厳な眼差しの奥底には、永い年月を経て刻まれた深き知性が横たわる。手にした青龍偃月刀は、彼の怒りを波に代え、自然では起こりえない激浪を生み出す。白い飛沫にその身を霞ませ、すべてを押し流す大波の向こうで、彼は静かに佇んでいる。
(4)
「核」の周囲に六門世界を象る元素が集約した、極めて自然的なスピリット。元は各々のエレメントに応じた習性を持っていたが、エレメンタル・ストームの影響を受けた彼らの生態は大きく変化し、超自然的な“現象”とも言える精霊王たちに強く依存するようになった。
(5)
《ダイアモンド・ドラゴン》は古くから雪山に住まう、氷雪を司るドラゴン。伝説に近い存在であるドラゴンは殊更にエレメントの影響を受けやすく、《ダイアモンド・ドラゴン》もエレメンタル・ストームに よって狂霊化してしまった。しかし、元素の変性により魔力が変質したとしても、古より紡がれてきた彼らの自我は揺るがない。多くの存在がエレメンタル・ストームで変貌を余儀なくされる中、ドラゴンたちは精霊嵐を己の糧とし、強化に繋がることとなった。
(6)
黄昏時の小麦畑。いつものように風車の様子を見に来た少女は、空の異変に気が付いた。
浸食される空。
広がりゆく闇。
まるで水が滲むように、空が暗黒に犯されている。
あからさまに不自然で、あまりにもおかしなその景色に、不吉の予感を禁じえない。
それが終焉の前兆であることを、彼女は知る由もなかった。
(7)
硬質金属であるオリハルコンに似た性質の甲羅を持つ 巨大なリクガメであり、オリハルコンの鉱石が眠る遺跡に住み着いている。
幼生の頃の甲羅は柔らかいが、餌である鉱石を食する ごとに甲羅は硬質化していった。
動きは鈍重ながら知性は高く、守りの呪文を多数操る ことができる。
(8)
燃える頭髪を逆立てて、南の森より現れたるはタイラント。
2対の腕に持つ4振りの武器を縦横無尽に繰り出して、生物・ 無生物を問わず破壊する。
火炎樹の森を傍若無人に踏み荒らす様は、『暴力の猛将』の異名にふさわしい。
暴君たる彼の逆鱗に触れたものは、塵の一欠片も残ることなく灰燼に帰す。
(9)
無邪気な笑顔を振り撒いて、北の山岳より現れたるはエンプレス。若草色のドレスに身を包み、2対の羽をはばたかせ、重力を忘れたかのように振る舞う。
彼女たちが大地を踏みしめるたび、周囲には大地震が巻き起こる。引き起こされる影響など考慮することなく、彼女たちはいたいけな幼女さながら飛び回っている。
(10)
《エレメンタル・バーン》は激しい輝きの爆発を巻き起こす呪文。爆発によって作り出された無属性空間に対象を吸い込み、消滅させる。
《エレメンタル・シールド》はすべての攻撃をシャットアウトする壁を作り出す攻防一体の呪文。
そのシールドに加えられた衝撃はすべて吸収され、術者の力に変換される。
(11)
《ラヴァ・ドレイク》は熔岩の海に住む、地竜の一種。
高熱を遮断する不思議な粘液を分泌することができ、それが全身を覆っている。体色が黒いのは、その粘液が熔岩と反応を起こして硬質化したもの。
空を飛ぶことはできないが、熔岩の流れに乗って移動する術を持っており、その特性から『熔岩竜』とも呼ばれている。
(12)
六門世界は天に「聖」、奈落に「魔」の門があると言われている。 《マシコット》は「聖」の、《バーガンディ》は「魔」の元素が集約されて発生したスピリット。
エレメンタル・ストームの影響を受けたこれらは、まるで召喚の門を開くかのように、狂霊化した生物を呼び寄せる力を持った。
(13)
満天の夜空に向かって、地上から立ち上ってゆく光が見られることがある。それは戦場で朽ち果てし者たちの魂。数多の生命の煌きが、天上の星になるかのような幻想的な光景。
しかしその光を見た者は、込められた強い生気に当てられて、心を奪われたかのように狂ってしまうと言われている。

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テーマ:バックボーンストーリー投稿日時:2014/03/17 18:00
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