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モンブラン錬金研究所(エレメンタル)

(1)
世間的には知られていないが、世界にはもうすぐ破滅がやってくる。エレメンタル・ストーム――精霊たちの狂宴とも呼ばれるその現象は確実に迫ってきていた。
モンブランは、その世界の終焉に対抗する術を知っている。しかし世界はその前に、とある暴君の野望の前に支配されようとしていた。
1000年の時を経て蘇った《欲深き皇帝オルクス》。万を超えるオークを引き連れたオルクスは暴虐の限りを尽くし、平和に慣れきって弱体化した国々を次々と陥落させていく。オルクスが引き起こしたこの戦乱は世界全土を巻き込んでいった。
このままでは、終焉を知ることなく、世界は人の住む余地のないものになってしまう。
モンブランはオルクスの猛攻に対抗すべく、錬金魔導を駆使してとある兵器の開発に着手する。それはかつての世界で使用され、その威力のあまり、世界の終焉を早めてしまったとも言われているもの。
並のモンスターをはるかに凌駕する性能を持つ錬金生命体――鉄巨兵の開発に。
(2)
鉄巨兵の強さの秘訣はその巨大さとともに、専用の強化パーツにある。《ジャイアント・ブレード》《ジャイアント・シールド》は、共に通常のユニットではとても扱うことのできない、恐ろしく巨大な武具。モンブランが技術の粋を奮って製作したこれらの武具は、錬金生物本体の性能を飛躍的に高めながらも、戦闘行動への制約は皆無に等しい。従来の概念を覆す画期的な装備品の開発は、モンブランという特異な存在を世の錬金術師たちに知らしめてゆく。
(3)
エレメンタル・ストームは、六門世界を構成する元素そのものに働きかけ、変性・崩壊へと導く。例えば『土』の属性がバランスを崩すと、地震の頻発・地軸の歪曲・地磁気の逆転などが起こり始める。
その影響による現象を、モンブランは『マグネリア』と命名した。重力の反転もマグネリアの一種。建築物は大地もろとも抵抗の余地なく浮き上がり、破壊されてゆく。
(4)
《マグネリアの磁力網》は特殊な合金で編まれた、敵の行動を阻害するネット。使い手が念じることで電撃を流すことができ、様々なアクションに対応することができる。《ジャイアント・ウィング》は、魔力噴出口から猛烈な風の魔力を噴き出すことで、錬金生物の巨体を浮かび上がらせることのできる大きな翼。陸戦型の錬金生物による強襲を可能にした上、副産物たる噴射の加速により戦闘面でも強化されている。
(5)
他の鉄巨兵よりさらに二回りほども巨大な、『金剛神』の名を冠する決戦兵器。その身に宿る魔力で自身の性能を強化し、戦況に対応して機動力や殲滅力を上昇させることができる。ハデスの魔力に感応して紫の輝きを放つ巨大な片手剣は、すべてを薙ぎ払う破壊の一閃。金剛神に相対した敵はことごとく粉砕され、自らの屍を以って戦場を舗装する運命をたどることとなる。
(6)
《ハイエルフの錬金魔導師》《ドワーフの錬金呪導師》は、錬金生物開発におけるモンブランの助手。2人は新時代の錬金魔法を研究する学問の徒であったが、 当代の技術水準を大きく超えるモンブランの魔導を目の当たりにして、出奔を決意。半ば押しかける形で助手として開発に携わることとなった。
(7)
《ゲパルト魔石》は魔導生命体の支援を目的とした加護を封じた魔石。従来品は魔法生物にしか効果がなかったが、錬金生物にも対応するようモンブランが改良した。《ティーガー魔石》は錬金生物のコアを暴走させることのできる魔石。秘められた力を解放することによって、コアのエネルギーを逆転させ、制御不能の業火によって敵味方もろとも灰燼に帰すこととなる。
(8)
《鉄巨兵ギガンテス》は召喚性能を極限まで高めたタイプの鉄巨兵。最初期に開発された鉄巨兵であり、攻防のバランスが取れた扱いやすい機体である。《雷鎚ミョルニル》は肘から先を巨大な雷撃砲に変換する換 装パーツ。先端部の魔導針に魔力を収束し、それを直接叩き込むことで大威力の物理的衝撃を発生させる。
(9)
《鉄巨兵ネプチューン》は水陸両用・進軍特化の鉄巨兵。巨体に似合わぬ奇襲戦法を得意とする。敵の準備が整う前に接近し、三叉戟が敵を貫く。深海を移動する都合上、水圧に耐えるため他の鉄巨兵よりも装甲が厚く作られており、白兵戦においても引けを取らぬ戦いが可能である。またマグネリアを利用した時空湾曲現象を、大転移とモンブランは名付けた。この現象に耐えることができるのは、人造錬金生命体である錬金生物だけである。
(10)
《鉄巨兵セレス》は驚異的な速度と飛行能力を持つ鉄巨兵。セレスの機動性は鉄巨兵の運営上非常に重要な要素であると判断されたため、その性能を凝縮したパーツ《ジャイアント・ウィング》が特別に製作された。《ナイチンゲール》は自動メンテナンスが可能な自律型ゴーレム。大きさは人間の子供程度であり、看護師の衣装とともに製作者であるモンブランの趣味が反映された魔法生物である。
(11)
《金剛神ハデス》が近接戦闘用の決戦兵器である一方、《金剛神パラスアテネ》は遠距離殲滅型の決戦兵器。黄金色のボディは大きさこそ通常の鉄巨兵と同等だが、その身を流れる魔力の循環効率が桁違いに良い。溢れる魔力から放たれた光線が直撃すれば、敵陣は生者の痕跡すら残さず焦土と化すこととなる。
(12)
《Zモンブラン》は、錬金魔導を用いて改良が施された《グレート・モンブラン》の後継機。搭載可能な兵器の数こそ制約が課せられたものの、性能はほぼそのままに魔法生物から錬金ボディに昇格することに成功した。
右手の超電磁砲を振りかざし、Zモンブランは今日も悪を討つ。

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テーマ:バックボーンストーリー投稿日時:2014/03/13 22:54
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