青いペペロンチーノ製造所

（1）
大空のどこかにあると言われている、「空飛ぶ島アルビオン」。そこではニーベルングの一族が、ペガサスやユニコーンたちとともに平和に暮らしていた。
しかしある日。空に―何もない虚空に、赤い「亀裂」が走る。世界を揺るがすエレメンタル・ストームの影響からは、天空の楽園でさえも逃れることが出来なかった。
亀裂の影響をまともに受けたアルビオンは、エレメントの崩壊を伴って墜落。不運にも落下点は、サザン軍とオルクス軍が争う激戦区のまっただ中であった。
それまで俗世と関わることを拒んでいたニーベルングの一族も、否応なしに時代の激流に巻き込まれていく。
（2）
《神天馬シャンパニ》は世界各地を飛び回り、厄災の 情報をワルキュリアたちに持ち帰る黄金の天馬。その性質は中庸であり、世界の危機を知りながらも超然として自ら動くことはない。
黄金絹の毛並みとサファイアの瞳が与える印象は、さながら放浪の賢者。
彼は今日も崩れゆく楽園の城跡から、寄り添う乙女たちと共に、滅び行く世界を見届けている。
（3）
ショートカットの栗毛に萌黄色の瞳。そしてあどけな く愛らしい顔立ち。
《不死鳥の乙女エルルーン》は、“黄金の不死鳥”こと《ホーリー・フェニックス》に愛された少女。
愛の気持ちはたくさんあるが厳しさがまったくないと評判の彼女は、みんなに愛されかまわれる、一種のカリスマ性を持つ。
不死なる存在のドラジェや人間であるブリオたちに対 してほとんどのワルキュリアが嫌悪を抱く中、エルルーンだけは心を開き、無邪気に接してくる。
（4）
《神獣の女神ジーグルーデ》はもっともユニコーンに 愛されたワルキュリアであり、神獣の軍団たる聖晶騎兵隊を率いる大隊長。乱れを一切許さない潔白な彼女の性格は、繰り出す技 にも表れる。
優雅に空中転回する雄々しいペガサスを彷彿とさせる 美技の名は《ペガサス・ターン》。舞姫もかくやという彼女の洗練された一閃には、敵も味方もただ感嘆の溜息を漏らすのみである。
（5）
スフィンクス。黄金の翼と毛皮を持つ、知恵のある尊き獣。
スフィンクスの口から発せられる「謎かけ（リドル）」には、ある種の呪いの力がある。一説によると、謎を解くことができなかった旅人を食べてしまうという。
冒険者に必要なのは武力や魔力だけではない。謎に挑む勇気と、それを解く知恵も必要なのだ。
スフィンクスにまつわる様々な伝承は、力に傾倒しやすい冒険者たちの戒めとなっている。
（6）
《ニーベルング少女霊鳥隊》は「新兵隊」を卒業した者たちが次に所属する初級部隊。まだまだ練習生の立ち位置だが、比較的乗りこなすのが容易なスズメ騎兵にまたがり、3騎一組で互いの未熟を補う。
《ウォー・ユニコーン》は戦闘用に調教されたユニコーン。燃えるような尾とたてがみ、真珠色の角が雄々しいこの獣への騎獣は、少女たちが戦力と認められるための最初の目標となる。
（7）
ニーベルングたちの住まう「空飛ぶ島」の名にもなっている巨大なユニコーン、《神角獣アルビオン》。彼はユニコーンたちの長であり、アルビオン島の神なる存在。人語を話すことができ、ニーベルング系女神を認定する役目も持っている。
《ユニコーン・ギャロップ》はワルキュリアの加護を受けたユニコーンが放つ輝きの呪文。ユニコーンの力強い角による突進のイメージに近いことからこの名前がついた。
（8）
《ピュア・ユニコーン》は小さなポニーのユニコーン。本来は乙女を守護する一角獣なのだが、その外見と大きさゆえに、逆に乙女に守ってもらっているようにも見える。
《クォーツ・ペガサス》は全身が水晶のように透き通っている美しいペガサス。雲を食べて生きているとも言われている天馬の一種であり、見た目以上に大きな白鳥の翼で天を翔ける。
（9）
《ニーベルング聖角騎兵隊》は「神獣調教師」を卒業したワルキュリアが就くことになる陸戦部隊。一角獣に騎獣し、白銀のランスとシールドを持って戦場を駆 ける姿は、まさに戦乙女の名にふさわしい美しさ。
《レジェンド・ホーン》は真珠色の毛皮と美女のようなたてがみを持つ、優雅なユニコーン。孤高の存在である彼は、他の一角獣と違って周囲に乙女を寄せ付けない。黙々と、自身の聖なる魔力を用いて、味方の守護に徹するのである。
（10）
聖獣の軍団を率いる資格を持つ聖角騎兵隊の大隊長。 神獣の軍団たる聖晶騎兵隊を率いるジーグルーデと並んで、ニーベルングの双璧と謳われる。
器用で剛柔併せ持った戦い方を特徴としており、神速の戦術を得意とする騎兵隊にあって敵の虚を突く一撃を放つ。
ワルキュリアの戦術に対して先入観を持つ敵は、蠱惑的な彼女の容姿と戦術に翻弄されるであろう。
（11）
《ニーベルング呼込隊》はワルキュリアの見習い３人組。
不景気なのか、なかなか遺跡に挑戦する冒険者がいなくなった今日。
スフィンクスたちにとっては商売あがったりなので、勧誘用のワルキュリアを雇った。
はたして彼女たちの声に応えて、謎かけに挑戦する者は現れるのであろうか。
（12）
《ニーベルング神速隊》は『神速の戦術』を信条とするニーベルングの基本理念を最も体現した部隊。
彼女たちは共に戦う神獣の力を最大限に引き出すことができ、神獣もまた彼女たちのおかげで己の力を如何なく発揮できる。
神速隊は指折りの実力部隊であるが、その力は自分達だけのものではないということをきちんと理解しているため、彼女たちは共に戦う相棒への敬意を忘れない。