トレーディングカードゲームには、
残念ながら使われる理由のないカードたちがたくさんある。
無駄にデザインされたハズレカードみたいなものである。
MTGも「リミテッド用にデザインされているカード群」は、一見その存在意義があるように
思えるが、リミテッドですらピックされないカード群はたくさんある。
下位互換・結果的下位互換のカードは悲しすぎる。
逆に、このバランス、デザインは秀逸というカードデザインも当然たくさんある。
できればすべてのカードが美しくデザインされていてほしいものである。
(すごい極論、無駄カードのないMTGのブースターが5枚入り500円だったとしても私は買う)
さてカテゴリをデュエルマスターズとしたので、
デュエルマスターズで見つける美しいカードデザイン。(もちろんあくまで主観)
「バリアント・スパーク」 R 光文明 (3)
S・トリガー
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、タップする。
メタモーフ(自分のマナゾーンに7枚以上カードがあれば、この呪文は次のMM能力を得る)
MM-バトルゾーンにある相手のクリーチャーを、1体のかわりにすべてタップする。
「ホーリー・スパーク」「スーパー・スパーク」は、テキストが短い分強力である。
つまり「強い」と書かれているだけのテキストは美しくない。
「バリアント・スパーク」は、序盤は3マナで唱えるには地味ながらも汎用性は高く、
中盤以降になれば「強い」というテキストが出現する。
デュエルマスターズというゲームシステムのギミックにおいて「メタモーフ」とは、
とても秀逸なキーワード能力である。
1枚のカードに、序盤終盤問わずに活躍させることができるカードはやはり「良いデザイン」と
言っていいはずだ。
残念ながら「スーパー・スパーク」のおかげで「バリアント・スパーク」の出番は
あまりないのだけれど、カードデザインとしては秀逸である。
もちろんそう思う過程には比べる指針として「ホーリー・スパーク」の存在が必要である。
「スーパー・スパーク」の存在は、仕方がないとはいえ、あまり好ましくないと個人的には思う。
しかしながらそれにも限らずバリアント・スパークにはまだ使われる理由(※)がある。
そこが素晴らしい。
※「バリアント・スパーク」は「スーパー・スパーク」よりコストが軽い。
終盤は同テキストになるため、終盤においては「スーパー・スパーク」を凌駕する。
ただ「強い」は面白くなく、使われる理由がない(※)も面白くない。
※使われる理由を最大限検討した結果使われないと判断されるカード。
研究もせず使えないと判断するのはデザイナーに失礼である。
ちなみに「デュエルマスターズ」の「シールド・トリガー」や
「ライブオン」の「リアクション」は、実はシステム的にはデザイナーを苦しめるものである。
デュエルマスターズは、「デーモンハンド」
ライブオンは、「消滅破」をデザインしている。
わかりやすい「強い」の指針であるが、
それ故にカードデザインの幅を著しく狭めてしまう。
下位互換や上位互換を出さずに相異互換をデザインするのは難しい。
だからこそ、それができているカードは「美しい」と形容したい。
遊戯王やバトルスピリッツ、ディメンション・ゼロなど
「テキストがない」カードをサポートするカードがある。
使われる理由のないカードをサルベージする方法の1つである。
過去にデザインされた使われる理由のないカードを強引に使えるようにするのは難しい。
デザインは美しくも環境的に「使われない」は仕方がないが、
リリース直後から使われないは、切ない。
某TCGの初期のカードデザインに絶望したのは、
ある同名カードが数種類あり、それを吟味すると、ある1種類のカード以外使われる理由が
「そっちの絵じゃなきゃヤダ」という理由以外見つからなかったことである。
「絵」に使われる理由を見出してもそれはゲームでは「勝てない」。
使われる理由のないカードに「コレクション性」を簡単に見いだせる版権モノのTCGはなんかズルイ。
ゲームデザイナーは、
自身の生み出したカードに愛情と誇りを持って、私たちを楽しませてほしいものである。
良いデザインのカードや、良い構成のデッキには人を引き付ける魅力がある。
デザイナーは魅力的なカードを、プレイヤーは魅力的なデッキ構築を。
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テーマ:カード雑記 | 投稿日時:2009/08/16 20:25 | |
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2009年08月のブログ |